- ChatGPTの新機能「Advanced Data Analysis」って何が出来るの?
- ChatGPTの新機能「Advanced Data Analysis」ってどうやったら使えるの?
2023年7月にcode interpreterとしてリリースされたChatGPTの新機能。
2023年8月にAdvanced Data Analysisと名前を変えてリニューアルされました。
ただし、2024年1月現時点で、ChatGPT PLUS(有料版)利用者のみに提供されている機能。
何が出来るのかと一言で聞かれると「ChatGPT上でPythonを実行できる」と回答します。
ただ、特に非エンジニアの方は、それって何がすごいの?と疑問が深まることでしょう。
そこでこの記事では、Advanced Data Analysisは何が出来るのか?について深ぼっていきます。
この記事を見れば、Advanced Data Analysisの何がすごいのか説明できるようになって、実際に活用も出来るようになります。
ChatGPTのAdvanced Data Analysisとは?何がすごい?
そもそもAdvanced Data Analysisの何がすごいのか?何が出来るのか?根本的な部分を紹介していきます。
冒頭でもお伝えしたように、「ChatGPT上でPythonを実行できる」というのが、Advanced Data Analysisの強み。
何がすごいのかというと、プログラミングが出来なくても文章でやりたいことを伝えると、プログラミング処理をしてくれるようになったこと。
つまり、隣にプログラマーがいて、「こんなことやりたいんだけど?」と伝えるとやってくれるイメージですね。
具体的に出来ることは以下のつです。それぞれ詳しく解説していきます。
- ChatGPT上で複雑な計算が出来るようになる。
- ChatGPTにファイルをアップロードできるようになる。
- アップロードしたファイルを合成・抽出・変換できるようになる。
出来ること①:ChatGPT上で複雑な計算が出来るようになる。
まずAdvanced Data AnalysisがChatGPTに実装できるようになったことで、ChatGPT上で複雑な計算が出来るようになりました。
前まではChatGPTは計算が苦手だということが知られていて、2023×2023のような簡単な掛け算も出来ない状態でした。
Pythonで計算が実行できるようになったことで、ChatGPT上で複雑な計算が出来るようになりました。
出来ること②:ChatGPTにファイルをアップロードできるようになる。
次にChatGPTにファイルをアップロードできるようになりました。
例えば、入力したいデータがあった時に、今まではコピーペーストをして貼っていたと思います。
そうではなく、データのアップロードが可能。現時点では以下のタイプのデータがアップロード出来るようです。
- PDF (.pdf)
- テキスト (.txt)
- パワーポイント (.ppt)
- ワード (.doc)
- エクセル(.xlx)
- カンマ区切り値 (.csv)
データの容量としては、合計500MBで10ファイルまで。
出来ること③:アップロードしたファイルを合成・抽出・変換できるようになる。
Advanced Data Analysisでは、ファイルの合成・抽出・変換もできるようになりました。
- 合成:2つのファイルを組み合わせたうえで分析を行う。
- 抽出:ファイルを読みこんだうえで特定のデータのみを抽出する。
- 変換:読みこんだファイルの情報を再構築する。要約などが出来る。
Advanced Data Analysisで出来ることは、合成・抽出・変換の3つ。
ただ、これだけでは具体的に何が出来るのかわからないと思うので、実際の活用法についても次で詳しく解説していきます。
ChatGPTのAdvanced Data Analysisの使い方
先ほどまではAdvanced Data Analysisが出来ること、というテーマで根本的な部分を解説してきました。
ただ、それだけでは具体的に、どう活用すればいいのかが分からないですよね?
そこで今回は実際にAdvanced Data Analysisをどう活用するかについて、具体例を紹介していきます。
2024年1月現在、「Advanced Data Analysis」特別な設定をしなくても使えます。自動で起動するようになっています。
先にすべて挙げてしまうと以下の10個。それぞれ詳しく解説していきます。
- Pythonによる数的処理やアルゴリズムを生成・実行してもらう
- 論文・決算報告書・マニュアル資料等の長文で読みづらいPDFの要約
- 売上データや市場データなどのデータ分析
- エクセルファイルやCSVファイルのグラフ化によるデータ可視化
- テストやデモのためのダミーデータの大量作成
- 調整さんと連携した当直表や勤務表の自動作成
- 画像からテキストをOCR(文字認識)で抽出する
- 画像データの編集によるモザイク付与
- 音声データの編集作業
- パワーポイントでプレゼン資料の作成
活用法①:Pythonによる数的処理やアルゴリズムを生成・実行してもらう
まず最も基本的な使い方は、Pythonによる数的処理やアルゴリズムの実行です。
簡単に言うと、ChatGPTに計算とか複雑な処理を行ってもらうということですね。
Pythonというプログラミング言語を利用できる、ということを知っておきましょう。
活用法②:論文・決算報告書・マニュアル資料等の長文で読みづらいPDFの要約
次の活用法は、PDFの要約作業です。
論文だったり、決算報告書だったり、マニュアルだったりを全て読んで該当箇所を探すのって手間ですよね?
そんな時はPDFをChatGPTに投げて、該当箇所だけ要約してもらいましょう。
例えば以下の画像ではOpenAIの英語論文を日本語で要約してもらっています。
活用法③:売上データや市場データなどのデータ分析
ChatGPTはデータ分析も出来るようになりました。
自社の売上データや、市場データなど様々なデータの分析に利用できます。
今回は気象庁が公開する気象データを例にとって、データ分析の様子を紹介します。
データを渡して「これは大阪府の過去10年の気温データです。 気温の傾向について分析してもらえますか?」とだけ入力しました。
詳細な指示はしてないですが、しっかりと分析してくれました。
活用法④:エクセルファイルやCSVファイルのグラフ化によるデータ可視化
データのグラフ化についても簡単にできます。
例えば、売り上げ予測のグラフ化や、経費のカテゴリごとのグラフ化など活用幅が広がります。
今回はtwitterのツイートインプレッションのデータのCSVファイルを渡して、私のアカウントを分析してもらいました。
活用法⑤:テストやデモのためのダミーデータの大量作成
プログラマーの方であれば、必ず利用したことがあるダミーデータの作成も簡単に可能。
プログラミングのテストや、サービスのデモを作成する際に必要なダミーデータを、15秒ほどで作成できます。
活用法⑥:調整さんと連携した当直表や勤務表の自動作成
ChatGPTを活用すると、シフト表の作成もかなり楽になります。
方法としては、調整さんというツールを使って、まずは全員の希望日程を聞き出します。
そしてそのデータをダウンロードして、ChatGPTに提出。
すると、当直表が5秒ほどで完成。詳しいやり方は関連記事にまとまっていますのでご覧ください。
活用法⑦:画像からテキストをOCR(文字認識)で抽出する
画像からテキストを抽出することも可能です。
ただし注意点として、2024年1月現在OCR(文字認識)は日本対応していません。
英語であれば文字認識可能なので海外の画像を渡して、日本語に翻訳してもらうことは可能。
活用法⑧:画像データの編集によるモザイク付与
Advanced Data Analysisでは、画像データの編集も可能です。
例えば自分の証明写真を渡して、モザイクをかけてもらうことが出来ます。
ChatGPTの機能の1つであるDALL-E3は画像の編集は出来ないので、より便利になりました。
活用法⑨:音声データの編集作業
音声データの編集作業も行ってくれます。
例えばYouTubeの動画編集などで、無音の空白部分のみを切り取りたいことってありますよね?
そんな時はChatGPTに、音声の入っていない部分だけ切り取って再出力するようにお願いしてみましょう。
活用法⑩:パワーポイントでプレゼン資料の作成
Advanced Data Analysisでは、パワーポイントの作成も出来るようになりました。
作ってほしいパワーポイントの内容と構成をchatGPTに伝えると、ダウンロードリンクが送られてきます。
これによりパワーポイントの作成が爆速化。あなたの業務効率化に貢献します。
その他:活用法を表にまとめて40個紹介
その他の活用法を表にまとめましたので、活用アイデアの参考にしてみてください。
画像関連 | |
---|---|
画像内のオブジェクト識別 | 特定のオブジェクトや顔を識別する。 |
画像のバッチ処理 | 大量の画像を効率的に処理する。 |
画像のズーム機能 | 画像を拡大して細部を表示する。 |
カラーパレット生成 | 画像から色情報を抽出してカラーパレットを作成する。 |
画像形式の変換 | 画像をJPEG、PNGなどの異なる形式に変換する。 |
画像の反転 | 画像を水平または垂直に反転させる。 |
アニメーションGIF作成 | 複数の画像やフレームを組み合わせてGIFを作成する。 |
GIFからビデオへの変換 | GIFをビデオファイルに変換する。 |
画像のクロッピング | 画像の特定の領域を切り取る。 |
位置情報に基づくGIF生成 | 位置データを利用してGIFを作成する。 |
グラフ作成 | |
プレゼンテーションの自動生成 | PowerPointのスライドにグラフを含むプレゼンテーションを作成する。 |
動的グラフ | データの変化に応じてリアルタイムで更新されるグラフを作成する。 |
レーダーチャート | 多変量データを視覚化するレーダーチャートを生成する。 |
パイチャート | 比率やパーセンテージを視覚化するパイチャートを作成する。 |
文章解析とグラフ化 | テキストを解析し、関連するデータをグラフ化する。 |
ビットコインデータ分析 | ビットコインの価格や取引量などを分析する。 |
CSVファイルのEDA | CSVファイルを使って探索的データ分析を行う。 |
機械学習データの視覚化 | 機械学習の結果をグラフやチャートで視覚化する。 |
視覚データの作成 | ヒートマップや散布図などの視覚データを作成する。 |
SEO分析 | キーワード密度やメタタグなどを分析してウェブサイトのSEOを改善する。 |
オーディオ処理 | |
音声の波形表示 | 音声ファイルの波形を表示する。 |
オーディオファイルの変換 | 異なるフォーマット間でオーディオファイルを変換する。 |
音声のノイズ除去 | 音声ファイルからノイズを除去する。 |
オーディオのピッチ調整 | 音声のピッチを変更する。 |
オーディオのトリミング | 音声ファイルの特定の部分を切り取る。 |
オーディオの合成 | 複数の音声ファイルを組み合わせる。 |
音声からテキストへの変換 | 音声をテキストに変換する(音声認識)。 |
BPM(ビート・パーミニュート)の検出 | 音楽のBPMを計算する。 |
オーディオスペクトル分析 | 音声のスペクトルデータを分析する。 |
オーディオファイルのメタデータ編集 | 音声ファイルのタイトル、アーティストなどのメタデータを編集する。 |
データ処理と分析 | |
時系列データの分析 | 株価や気象データなどの時系列データを分析する。 |
テキストマイニング | テキストデータから情報を抽出する。 |
機械学習モデルのトレーニング | 分類や予測のための機械学習モデルをトレーニングする。 |
データクレンジング | データセットから欠損値や外れ値を除去する。 |
クラスタリング分析 | データを類似性に基づいてグループ化する。 |
回帰分析 | データ間の関係をモデル化し、予測を行う。 |
自然言語処理(NLP) | テキストデータの言語学的特性を分析する。 |
データセットの統計分析 | データセットの平均、中央値、標準偏差などを計算する。 |
Webスクレイピング | Webページからデータを抽出する。 |
データベース操作 | SQLを使ってデータベースからデータを抽出・操作する |
その他 | |
シューティングゲーム開発 | 簡単なシューティングゲームをプログラムする。 |
CSVデータの処理 | CSVファイルからデータを抽出し、加工する。 |
QRコード生成 | 特定のデータに基づいてQRコードを生成する。 |
財務データ分析 | 財務データや市場トレンドを分析する。 |
PDFからのテキスト抽出 | PDFファイルからテキストを抽出し、解析する。 |
ZIPファイルの内容抽出 | ZIPファイル内のデータを抽出する。 |
画像からのテキスト抽出 | 画像内のテキストを読み取る。 |
ChatGPT会話のテキスト化 | ChatGPTの会話をテキストファイルに整理する。 |
HTMLファイル生成 | プログラムを使ってHTMLファイルを生成する。 |
カスタム関数の実装 | 特定の目的のためのカスタム関数を定義し、実装する。 |
このように、ChatGPTは様々な場面で役に立てることが出来ます。
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ChatGPTのAdvanced Data Analysisを利用する際の注意点
次にAdvanced Data Analysisを利用する際の注意点について紹介します。
Advanced Data Analysisはかなり便利な機能ですが、使い方を間違えば危険なツールにもなります。
しっかりと注意事項は守ったうえで利用しましょう。
先にすべて挙げると以下の4つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 機密情報の入力は避ける
- 嘘をついている可能性があるので事実チェックは必ず行う
- 「Pythonを使って」といわないとAdvanced Data Analysisが起動しないことがある
- 工夫しないとグラフが文字化けし日本語フォントが利用できない
注意点①:機密情報の入力は避ける
まず1つ目の注意点は、機密情報の入力を避けるという点。
アップロードしたファイルはOpenAIのサーバーで3時間保持された後削除されるので、大きな危険性はありません。
ただし、入力した文章においては、サーバーに30日間保持されて、学習用データとして利用される可能性があります。
つまり、自分が入力したデータが、他人の出力に出てくる可能性があるということ。
ChatGPTには機密情報を渡さないという意識をしっかりと持っておきましょう。
注意点②:嘘をついている可能性があるので事実チェックを行う
ChatGPTは本当っぽい嘘をつくことで知られています。そのため、事実チェックは必ず行いましょう。
実際アメリカの弁護士が、ChatGPTの出力で出てきた実在しない判例を引用し処分を受けています。
参考:ChatGPTで資料作成、実在しない判例引用 米国の弁護士
ChatGPTの出力をそのまま利用するのではなく、必ず事実かどうかをチェックしてから利用しましょう。
注意点③:「Pythonを使って」といわないとAdvanced Data Analysisが起動しないことがある
Advanced Data Analysisを使うために、特別な初期設定を行う必要はありません。
ただし、ChatGPTに依頼する際に、「Pythonを利用して」といわないとAdvanced Data Analysisが起動しない現象があります。
例えば、「パワーポイントを作成して」とお願いしても、「私はパワーポイントの作成は出来ません。」と回答が来ることがあります。
そんな時は、「Pythonを利用してパワーポイントを作成して」とお願いしましょう。
注意点④:工夫しないとグラフが文字化けし日本語フォントが利用できない
ChatGPTには標準搭載で日本語のフォントが入っていません。そのため以下のようにグラフを作成すると、文字化けが起こります。
そんな時は日本語フォントをローカル環境にダウンロードして、ChatGPTにアップする必要があります。
少し複雑な手順なので詳しく知りたい方は、別記事を参考にしてください。
ChatGPT(GPT-4)のAdvanced Data Analysis(旧Code Interpreter)、日本語フォントでグラフや画像、PDFファイルを出力する方法とTwitterの分析
Advanced Data Analysisに関するよくある質問と回答
最後にAdvanced Data Analysisに関する、よくある質問と回答について紹介していきます。
他にこの記事で解消できなかった疑問があれば、お気軽に問い合わせフォームから問い合わせてください。
あなたの意見が充実した記事に繋がります。
Q1.Advanced Data AnalysisとCode Interpreterとの違いは?
2023年7月にCodeInterpreterがリリースされ、2023年8月にAdvanced Data Analysisがリリースされました。
実質的には同じ機能が名称変更した形です。
はじめは企業向けのCode Interpriterの名称を、Advanced Data Analysisとしていましたが、現在は全てAdvanced Data Analysisで統一されています。
Q2.ChatGPTのAdvanced Data Analysisが使えない!
ChatGPTは有料版のみの機能です。まず有料版に契約していない方は、月20ドルの有料版を利用しましょう。
有料版を契約しているのに使えない!という人は、「Pythonを利用して」と一文加えてみてください。
初めは出来ないと言っても、Pythonを使ったら出来ることを伝えると出力してくれます。
まとめ
- Pythonによる数的処理やアルゴリズムを生成・実行してもらう
- 論文・決算報告書・マニュアル資料等の長文で読みづらいPDFの要約
- 売上データや市場データなどのデータ分析
- エクセルファイルやCSVファイルのグラフ化によるデータ可視化
- テストやデモのためのダミーデータの大量作成
- 調整さんと連携した当直表や勤務表の自動作成
- 画像からテキストをOCR(文字認識)で抽出する
- 画像データの編集によるモザイク付与
- 音声データの編集作業
- パワーポイントでプレゼン資料の作成
今回はAdvanced Data Analysisに関する活用法を紹介しました。
ChatGPTを正しく使えば、業務の生産性はかなり高まります。
もうすでに業務の生産性に大きく差が出ています。
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