- プロンプトエンジニアって職業を聞いたんだけど、そんな職業必要なの?
- プロンプトエンジニアリングについて学ぶ必要があるの?
特に今からプロンプトエンジニアリングについて、学ぼうかどうか迷っている人はプロンプトエンジニアの将来性について気になりますよね?
プロンプトとは、ChatGPTに入力する指示や質問のこと
そこで今回は様々なデータを用いて、プロンプトエンジニアの将来性について紹介していきたいと思います。
結論から言うとプロンプトエンジニアは、まだ日本では流行っていないが、海外では主流になりつつある職業。
いまからプロンプトエンジニアリングについて学習を始めておくのは、将来の自分の選択肢を増やすうえでもかなりいい選択といえます。
根拠については、本文でしっかりと解説していきます。
プロンプトエンジニアはいらない?将来性について結論!
まず、あなたが最も知りたいはずの、プロンプトエンジニアの将来性について紹介していきます。
結論でも上げた通り、プロンプトエンジニアは将来性のある職業です。今後需要が増えていく職種なので、今から学習しておくことをオススメします。
その理由を先にすべて挙げてしまうと以下の3つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- 市場自体が毎年30%以上成長していくため
- 今後はより複雑なプロンプトが必要になってくるため
- 業界に特化したプロンプトエンジニアが出てくるため
必要な理由①:生成AI市場自体が毎年30%以上成長していくため
まず1つ目の必要だと言える理由は、「まだまだ生成AI市場が成長していくため」です。
上の画像はインドの市場調査専門会社である、「MarketsandMarkets」という会社の調査結果です。
英語で書かれているのですが、内容としては年間31.5%で成長していき、2030年の市場規模が768億ドル(約10兆円)になると記載されています。
2023年の市場規模が、113億ドル(1.6兆円)なので7年で約7倍です。
全世界で騒がれている現在から7年で7倍に成長し、日常生活のあらゆるところで生成AIが使われることが予想されます。
その分プロンプトを必要とされる場面も7倍に増えるので、必然的にプロンプトエンジニアの需要は高まりますね。
(参考:Generative AI market-MarketsandMarkets)
必要な理由②:今後はより複雑なプロンプトが必要になってくるため
2つ目の理由は、今後はより複雑なプロンプトが必要となってくるためです。
正直プロンプトエンジニアリングって誰でも出来るじゃん。そう思っていませんか?
確かに今のプロンプトは簡単です。ただ、徐々に必要なプロンプトスキルが上がっていっているんです。
例えば、ほんの1年前は文章を打つことしかできなかったChatGPTですが、今では有料版だと画像も生成出来るし、データを加工することもできます。
画像を扱うプロンプト、データを加工するためのプロンプト、JSON形式で出力するためのプロンプト。今でも徐々に必要スキルは増えています。
今後は動画を扱うプロンプト、音声を扱うプロンプト、3Dを扱うプロンプトなんかも必要になるかもしれませんね。
「MarketsandMarkets」の調査では2023年から2025年にかけて、テキストベースのプロンプトは画像・動画等と統合して多様なニーズを生むと予測されています。
(参考:Generative AI market-MarketsandMarkets)
プロンプトエンジニアリングは誰でも扱えるスキルではなく、立派な専門性のあるスキルになると言えるでしょう。
必要な理由③:業界に特化したプロンプトエンジニアが出てくるため
必要な理由3つ目は、より業界に特化したプロンプトエンジニアが出てくるためです。
今後数年で生成AIが出来ることはより増えていき、より専門的になっていきます。
だからこそ、より専門分野に特化したプロンプトエンジニアの需要も高まっていくのは確実。
「MarketsandMarkets」の調査では、業界特化のプロンプトが出てくるのは2026年から2028年になると予想されています。
(参考:Generative AI market-MarketsandMarkets)
今は全業界全ての企業でChatGPTは同じような使われ方をされていますよね。メールの作成、議事録の作成。
ただ、今後はより業界に特化した知識が必要となってきます。その分プロンプトエンジニアの需要も増えていくことになるでしょう。
今からプロンプトエンジニアになる必要はありません。ただ今後に備えて今から勉強は進めておきましょう。
そもそもプロンプトエンジニアとは?職務内容を徹底解説
プロンプトエンジニアの将来性についてはわかったけど、そもそもどんな職業なの?そう気になる方もいるかもしれません。
そこでここでは、プロンプトエンジニアってどんな職業なの?という点について深ぼって解説していきます。
ここで紹介するのは以下の4つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- プロンプトエンジニアとは?
- プロンプトエンジニアの仕事内容
- 実際のプロンプトエンジニアの体験談
- 日本の有名なプロンプトエンジニア
①プロンプトエンジニアとは?
プロンプトエンジニアとは、AIから最適な出力を得るために、指示をする役目をもつエンジニアです。人間の意図と生成AIの橋渡しをする役目といえます。
プロンプトとは、AIとの対話やコマンドラインインタフェースなどの対話形式のシステムにおいて、ユーザが入力する指示や質問のこと。
(参考:プロンプト|分かりやすく解説|AI用語集-Softbank)
まだあまり日本では広まっていない職業かもしれません。ただ海外ではメジャーな職業になりつつあります。
実際アメリカのIndeedでは、プロンプトエンジニアの求人が2023/3/27時点で、3916件あり、年収も$95,900(1362万円)から$180,000(2550万円)程度だそうです。
(参考:Prompt Engineering: The Future of Jobs in the Age of ChatGPT-LinkedIn)
ちなみに現在のアメリカのプロンプトエンジニアの求人数は、以下のURLから確認することが出来ます。(参考:IndeedUS-prompt engineering)
2023/12/18現在で5867件の求人が見つかりました。
②プロンプトエンジニアの仕事内容
次にプロンプトエンジニアの仕事内容について紹介します。
プロンプトエンジニアは新しく登場したこともあり、仕事内容に関しては明確な定義はありません。
ただ、現時点でのプロンプトエンジニアの仕事内容は以下の通り。
- プロンプト設計: AI用テキスト案の作成と改善
- チーム協力: 各部署との迅速な連携と対応
- パフォーマンス分析: プロンプトの効率向上のための監視と評価
- プロセス最適化: AIプロンプト生成手順の改良
- 技術更新: AI関連技術の最新情報の追跡
- 支援提供: チームへの効率的なエンジニアリングサポート
- レポート作成: 進捗とパフォーマンスの報告と共有
ただ、プロンプトを考えるだけではなく、最新情報の追跡やチームへの情報提供も職務内容とされることが多い。
1人でプロンプトを書く仕事というよりは、情報共有であったりサポートであったりと多くの人と関わる職業です。
③実際のプロンプトエンジニアの体験談
実際のプロンプトエンジニアの体験談としては、ニューヨークに拠点を置くAI企業 Copy.aiのプロンプトエンジニアの「Anna Bernstein」さんの体験談があります。
彼女はフリーのライターと歴史研究のアシスタント職についていましたが、2021年の夏に完全未経験からプロンプトエンジニアに転職しました。
彼女の現在の業務は、プロンプトを入力してAIツールがブログ投稿を生成できるように調整すること。
単一のプロンプトを機能させるために、何時間も、時には何週間も続けて、執拗に 1 つのプロンプトを変更してテストする仕事を行っています。
(参考:I’m an AI prompt engineer. Here are 3 ways I use ChatGPT to get the best results.)
彼女の転職体験談は2021年の夏ということで、かなり初期のプロンプトエンジニアといってもいいでしょう。
ただ、最も長いキャリアを持っていると言っても過言ではない彼女でも、プロンプトエンジニアの歴は2年半です。
プロンプトエンジニアスキルに全員大きな差はないので、今後に期待できる職業といえるでしょう。
④日本の有名なプロンプトエンジニア
海外の例ばかりで、日本にはプロンプトエンジニアはいないのか?というとそうではありません。
プロンプトエンジニアリングスキルを、武器にして有名になった方もいます。
特に有名なのが、深津式プロンプトの考案者の株式会社noteのCXO深津貴之さん。
深津式プロンプトは多くの方が利用している、汎用のテンプレートになりました。
次に有名なのが、七里式プロンプトの考案者の株式会社エキスパート代表取締役の七里信一さん。
七里さんはプロンプトエンジニアの肩書をうまく使って、ChatGPTの学校「飛翔」で1億円以上稼いでいます。
ただ、まだまだ一般的な職業としての地位が確立されたとは言いづらい。
そのため今から全力でプロンプトエンジニアを目指すのはオススメしません。
海外から輸入され日本でも一般的な職業となるまでに、今から学習しておくことをオススメします。
年収5000万は嘘?現在の求人をもとに平均年収を徹底解説
プロンプトエンジニアって稼げるの?1番重要なポイントかも知れません。
結論から言うと、現時点でプロンプトエンジニアはかなり高年収の職種といえます。
海外の求人と日本の求人を実際に調査して、平均年収について調査しました。
- 年収5000万は嘘?現在の平均年収を徹底調査
- 日本のプロンプトエンジニアの需要はある?日本の求人例を紹介
①年収5000万は嘘?現在の平均年収を徹底調査
2023年4月~5月にかけて、アメリカのプロンプトエンジニアの年収は5000万円というニュースが話題になりました。
(参考:年収5000万円! ChatGPT操る「プロンプトエンジニア」って?)
ただ、どちらかというと、年収5000万円は企業のマーケティング要素が入った数字だと言えます。
そこで現在のプロンプトエンジニアの求人を、プロンプトエンジニア職専門求人サイトから調査してみました。
企業名 | 年収レンジ |
Altasu Recruitment Group | 903万円~1173万円 (£50,000 – £65,000) |
The Hartford | 1342万円~2338万円 ($95,200 – $165,840) |
BrainPop | 1621万円~1833万円 ($115,000 – $130,000) |
Astria Digital Private Limited | 343万円~1209万円 (₹2,000,000 – ₹6,000,000) |
Gannett | 964万円~2270万円 ($68,400-$161,000) |
GoClip Labs | 90万円~154万円 (₹540,000- ₹900,000) |
平均 | 1153万円 |
求人数はかなり多かったのですが、年収を明記していない求人が多くありました。
ただ、年収を明記している求人のみを考えると、かなり年収帯としては高いことが分かります。
未経験からなることが出来る職種としては、かなり年収の高い部類といえるでしょう。
②日本のプロンプトエンジニアの需要はある?求人例を紹介
海外の例ばかり取り上げられますが、日本のプロンプトエンジニアの需要は今現在どうなっているのか?という点についても紹介していきます。
公開求人数1位と2位のリクルートエージェントとdodaで検索してみました。12月18日時点の求人です。
企業名 | 年収レンジ |
株式会社ジーニー | 800万円~1,200万円 |
アバナード株式会社 | 588万円~1,264万円 |
株式会社エスタイル | 350万円~750万円 |
アルサーガパートナーズ株式会社 | 350万円~500万円 |
パナソニックインフォメーションシステムズ | 550万円~950万円 |
株式会社日立システムズ | 500万円~650万円 |
シミックホールディングス株式会社 | 530万円~750万円 |
平均 | 695万円 |
求人数はあまり多くはなかったですが、年収面でいうと日本の平均年収(461万円)と比較すると高い傾向にありました。(参考:国税庁HP)
ただ純粋なプロンプトエンジニアというよりは、プログラミングを用いた生成AIツールの作成という求人が多かったです。
現在はアメリカでメジャーとなりつつある職業なので、少し遅れて日本でも増えてくると予想しています。
プロンプトエンジニアになる方法!5STEPで徹底解説
次にプロンプトエンジニアになるには何をすればいいのか?について紹介していきます。
ただ、日本ではあまりプロンプトエンジニアという職業が定着していないこともあり、プロンプトエンジニアになる方法論が確立されていません。
そこで以下の海外記事を参考に、プロンプトエンジニアになる方法について解説していきます。
- プロンプトエンジニアリングを学ぶ
- Pythonと機械学習(大規模言語モデル)について学ぶ
- オンラインコミュニティに参加する
- プロンプトに関する知識を披露し評判を高める
- プロンプトエンジニアの求人に応募し実戦経験を積む
STEP1:プロンプトエンジニアリングを学ぶ
まずは何よりも、プロンプトエンジニアリング(プロンプトを作成する手法)について学ぶ必要があります。
プロンプトエンジニアリングの手法としては、様々なものがあり現在の手法だけでも以下のようなものがあります。
- Zero-shotプロンプティング
- Few-shotプロンプティング
- Chain-of-Thoughtプロンプティング
- 自己整合性(Self-Consistency)
- 知識生成プロンプティング
- Tree of Thoughts
- Retrieval Augmented Generation
- Automatic Reasoning and Tool-use
- 自動プロンプトエンジニア
- アクティブプロンプト
- 方向性刺激プロンプティング
- ReAct
- マルチモーダルCoT
- グラフプロンプト(GraphPrompts)
意外と奥が深く難しい領域なので、しっかりと時間を取って学習することをオススメします。
STEP2:Pythonと機械学習(大規模言語モデル)について学ぶ
プロンプトエンジニアリングは文系や未経験でも求人はありますが、Pythonや機械学習について学んでおくべきだとも述べられています。
機械学習は特にLLM(大規模言語モデル)の知識があると、プロンプトエンジニアになる道が開けやすい。
生成AIの内部で何が起こっているのかという知識を身に着けておくことで、不要な混乱を避けることが出来ます。
Pythonと機械学習について学ぶのであれば、キカガクのAI人材長期育成コースがオススメ。
国からの給付金も受け取ることが出来るので今がチャンスです。
STEP3:オンラインコミュニティに参加する
さらにオンラインコミュニティの参加も重要だと述べられています。
生成AIの分野はとにかく進歩が速い。1人ですべての情報を追うのは不可能に近いです。
ただ、オンラインコミュニティに参加すれば、重要な知識が勝手に集まってきます。
最先端の技術を追うのには、オンラインコミュニティへの参加が必須。
ChatGPTのオンラインコミュニティとして有名なのが、七里信一さんが運営するChatGPTの学校「飛翔」です。
有料コミュニティではありますが、2000人以上の生徒数がいるので情報のスピードはかなり速いですよ。
STEP4:プロンプトに関する知識を披露し評判を高める
プロンプトに関する知識を披露して評判を高めることも重要です。
先ほど紹介したオンラインコミュニティ内で評判を高めることもできます。
私のようにwebサイトを運営して、プロンプトスキルを持っている証明にしてもいいですね。
他にも簡単な方法であれば、X(twitter)を活用し学んだことを発信するのでもいい。(参考:私のtwitterアカウント)
とにかく未開拓の分野であるからこそ、まずは自分の発信力を強めることが重要です。
STEP5:プロンプトエンジニアの求人に応募し実践経験を積む
最後にプロンプトエンジニアの求人に応募し、実戦経験を積みましょう。
まだまだ日本では求人数が少ないですが、STEP1~STEP4をしっかりとこなしているうちに日本でも求人数が増えてきます。
その時にどれだけ好待遇でプロンプトエンジニアになることが出来るのかは、今の段階の行動にかかっています。
まずはしっかりと、STEP1のプロンプトエンジニアリングスキルの向上に努めましょう。
プロンプトエンジニアで求められるスキルや知識3選
最後にプロンプトエンジニアの求められるスキルについて紹介していきます。
日本国内、海外問わず多くの求人情報を見てきた中で、特に多くの求人で求められているスキルについてまとめていきます。
先にすべて挙げてしまうと以下の3つ。それぞれ詳しく解説していきます。
- Pythonや機械学習等プログラミングを用いて開発を行うスキル
- コミュニケーション能力とチームで活躍できる能力
- プロンプトエンジニアリングのスキル
①Pythonや機械学習等プログラミングを用いて開発を行うスキル
特に求められるスキルとして多いのが、Pythonや機械学習等プログラミングを用いて開発を行うスキルです。
やはり現段階でプロンプトエンジニアといっても、特に国内だと生成AIを活用したソフトウェアツールの作成が多いです。
そのため現段階で最も求められているスキルは(特に日本では)、Pythonや機械学習のスキルが最も多い。
PythonとAIスキルは身に着けておいて損ではないので、もし興味がある人はキカガクのAI人材長期育成コースを利用してみるといいでしょう。
②コミュニケーション能力とチームで活躍できる能力
コミュニケーション能力や、チームで協力して働く能力も、多くの求人で求められているスキルです。
エンジニアというと、1人でプログラミングを書いているイメージを持っている方も多いかと思います。
ただプロンプトエンジニアに関しては、技術の進歩がかなり速い領域です。
チームでの情報収集や情報交換、他には情報発信のスキルがかなり重要。
まだまだ成熟していない業界だからこそ、人と一緒に働くことが求められている職種です。
③プロンプトエンジニアリングのスキル
もちろんプロンプトエンジニアリングのスキルも求められます。
プロンプトエンジニアリングのスキルといっても、ただChatGPTを使った経験があるというだけではありません。
上の画像は日本語翻訳を使っているので、わかりづらいかもしれませんが以下のプロンプトエンジニアリングの知識は持っておいてほしいと記載されています。
- Chain of Verification (CoVe)
- Chain of Thought (CoT)
- In-Context Learning
- Tree of Thought (ToT)
- Optimization Prompting (OPRO)
プロンプトエンジニを目指す人は、普段からChatGPTをただ触るのではなく、しっかりと手法を学びながらスキルを身に着けていきましょう。
まとめ
この記事ではプロンプトエンジニアの将来性について紹介しました。
結論を再度申し上げますと、以下の3つの理由でプロンプトエンジニアは将来性のある職種であると言えます。
- 市場自体が毎年30%以上成長していくため
- 今後はより複雑なプロンプトが必要になってくるため
- 業界に特化したプロンプトエンジニアが出てくるため
ただ、簡単になれるわけでもないですし、今すぐなる必要もありません。
今後需要が高まってきたときに、いち早く行動できるように備えておきましょう。
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